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| ことば(犬・人)について |
| 犬を愛する者のすべては、犬とある種の会話をしたいと願う。その会話を通じて、 我々は犬との、コミュニケーションをはかろうとしたり、自らの考え (しつけなどに付いて)を、理解させようと努力する。 しかも、それは「結構成功する」ものである。(それが結果として、 より良く理解しようとする時に、支障をきたす事になるのだが…) 我々は、犬の言葉・イルカの言葉等と言う表現をする。 私自身も、愛犬家、とりわけ初心者には、ホットな言いまわし方として使う。 しかし、犬(動物)の言葉と、人間の言葉には、決定的な違いがある。 犬(動物)は、自己意識を持っていない。自己意識は、言葉のフィードバック効果に よってのみ、発達し得るからであり、それは目の前に存在しない(非現実的)対象について、 抽象的に思考する事が、出来ないという結果をも引き起こす。 もし、愛犬が、何事もないのに、吠えたり、おびえたりする事があったとしても、 必ずそれは、我々の感知出来ない、何らかの音(超音波等)や、臭い等の事象が あるからであり、決して抽象的に、物事を思考しているのではない。 (我々が、神や霊等に対し、色々な思考を持つように…) 解かりにくい言いまわしだが、この事を理解するには、動物の持つ、 個々の身体的・心理的特性を、理解して頂かなければならないので、ここでは割愛します。 (詳しく知りたい方は、お目にかかって… 少なくともこの事だけで数時間は要するでしょうから。) 自己意識の欠如は、すなはち言葉の欠如であり、犬(動物)の持つ言葉は、 人の持つ言葉とは、まったく異質のものである事を、認識しなければなりません。 言い換えれば、犬(動物)には、言葉は無いのです。 言葉の通じない外国人に、意思を伝える時、解かろう筈のない日本語を叫び(?) ながら、身振り手振りで伝える事があります。 しかし、いったん伝われば、その後はその言葉に対し、同じ理解を示して くれるのに対し、犬の場合、伝わっていた筈の「スワレ」が、環境や諸々の条件によって、 全く伝わらないなどの事象が、これを裏付ける。 だから「スワレ」は、言葉としてではなく、ある行動をさせる為の、キッカケ作りのコマンド としてしか、認識されていなかった事になるのです。 コマンドは、0から9の数字を複雑に並べた、まさにデジタル信号のような形で、 聞こえているのかもしれません。 彼等に、それを解読する機能等、備わっていないにもかかわらず。 数頭の犬達の前で、タローは「前へ」・ジローは「左」・ハナコは「そのまま」等と… まるで、言葉として、理解できているかのように、また、タロー・ジローと(自己意識)が あるかのような、困難な事柄をも、プロのトレーナーはやってのける。 だから、ますます話がややこしくなる。 時には、それを成功させたプロのトレーナーまでが、本気で犬は言葉を、 言葉として理解出来ると錯覚をおこす。 私が、20数年前に出会った、動物心理学者のW・ブレンディンガーの著書に、 「多くのトレーナーは、言葉の欠如の重大さを認識せず、動物がまるで人間の言葉を、 理解し得る筈かの様に、取扱い、話しかける。それは動物の擬人化、つまり動物を、 人間の状態に移し変えるという、危険性をはらんでいる。 我々が、彼らより知性に勝っていると言うのであれば、むしろ彼らの立場に我々を移し変え、 彼らの表現法(言葉)を学ぶべきだ。」と、記されていた。 私は、犬や馬を愛するがゆえに、それに惹かれて来る人に、 「馬は、乗り手の心を読むから、こわがらず、背筋をまっすぐに伸ばして、堂々と・・」 「犬は、言葉を良く理解できるから、充分に言葉を使ってほめてあげて下さい。」等など、 「ホットな言いまわし」で、相手を絶望させない様に、そのコツを説く。 もし犬や馬が、我々の心理を読み、心のうちを予言したとしても、「超能力」と驚く事はない。 彼らは、その鋭い眼と耳と鼻で、非常に微妙な、人間がふつう気ずかないような、 気分や意思の信号を、感じとっているのである。 私自身、そのことを、充分に理解した上で、「ホットな言いまわし方」として使うのです。 しかし、自分自身では、クールな気持ちで、彼等の表現法を、充分に観察しながら、 たった一瞬のキッカケをムダにせぬ様、心を込めてコマンドをかける様努力している。 やたら多い言葉やシゲキは、彼等の表現法からするなら、より理解を困難にさせるから・・。 だから、コマンドをより良く理解させる為には、別項で述べた見る目・聞く耳のキッカケ作りの 準備をする事に、より多くの時間を割き、努力すべきである。 この項は、「しつけについて」の項の、ことばを教えよう(聞かせよう)からすると、 相反する様に誤解されるかもしれないが・・・。 最後に、この章を読まれた方に、これだけで真意を、理解して欲しいとは望みません。 逆に、あなたの頭の中を、錯乱状態にしたのでは(?)と、心配しています。 ただ、なにげなく、愛犬にかけている「言葉」に、もっと責任を持って欲しいと願うだけです。 −Andy− |
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